- くう
- I
くう【功】〔呉音〕功績。 てがら。II
「このころの我(ア)が恋力(コイヂカラ)記し集め~に申さば五位の冠(カガフリ)/万葉 3858」
くう【悔ふ】〔ヤ行上二段動詞「くゆ」の転〕後悔する。 くいる。III「此れを~・ふる心无くして/今昔 14」
くう【構ふ】(巣を)作り営む。 かまえる。IV「燕(ツバクラメ)は巣~・ひ侍る/竹取」
くう【空】※一※ (名)(1)空中。 空間。 そら。「~を飛ぶ」「~をにらむ」
(2)そこに, ものがないこと。 空虚。 から。「~をつかむ」「~を打つ」
(3)〔仏〕〔梵 śūnya〕万物はすべて因縁(インネン)によって起こる仮の相で, 実体がないということ。 大乗仏教では, 自我も存在も空であるとして, 人法二空を説く。→ 有(4)「空軍」の略。「陸・海・~の三軍」
※二※ (名・形動)かいのないこと。 むなしいこと。 また, そのさま。 むだ。V「努力が~に帰する」「半日をとう~に潰して仕舞つた/門(漱石)」
くう【食う・喰う】(1)食べ物をかんでのみ込む。 食べる。「飯(メシ)を~・う」「小鳥が猫に~・われる」「つとめて~・ふ薬/蜻蛉(中)」
〔現代語では, 人の場合「たべる」よりもぞんざいな言い方で, 普通, 男性が用いる〕(2)生活をする。 暮らす。 生きていく。「~・うに困らないだけの収入がある」「親の遺産だけで~・っていける」
(3)かみつく。 また, 虫などがさす。「蚤(ノミ)に~・われる」「指ひとつを引き寄せて~・ひて侍りしを/源氏(帚木)」
(4)激しい態度で相手にせまる。「人に~・ってかかる」
(5)相手の勢力・領分をおかす。 くいこむ。「スーパーに~・われて商店街の売り上げが減る」
(6)上位の者を負かしたり, 立場をおびやかしたりする。「平幕の力士が横綱を~・う」「主役が脇役に~・われる」
(7)時間・費用などを消費する。「時間と金を~・う仕事」「ガソリンを~・う車」
(8)ありがたくない事を身に受ける。 こうむる。「お預けを~・う」「一杯~・う」「締め出しを~・う」
(9)人をばかにする。「人を~・った話」「大尽を同輩のやうにして~・つてた奴も/滑稽本・素人狂言紋切形」
(10)口にくわえる。「青柳の枝~・ひ持ちて鶯鳴くも/万葉 1821」「さてもよく~・ふ毛抜ぢや/咄本・露がはなし」
‖可能‖ くえる︱慣用︱ 泡を~・同じ釜の飯を~・年を~・道草を~・割を~/犬も食わぬ・何食わぬ顔食うか食われるか相手を食うか, 自分が相手に食われるかという状況。 勝ち負けのきわどい命がけの闘いを形容する語。「~の死闘」
食うや食わず食べ物を満足に食べられないさま。 また, きわめて貧窮しているさま。「~の生活を送る」
食ってかか・る激しい口調・態度で相手に立ち向かう。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.